2008年06月07日

【本】獣の夢(中井拓志)

富山県宇尾島市氷上小学校。
一九九五年八月この学校の屋上で衝撃的な事件が起こった。
六年生の児童二十三名が日没を待って夏休みの校舎に侵入。ふざけあうなどしているうちに児童の一人がコンクリートに頭部を強打、死亡するという事故が発生。他の児童たちは所持していたナイフで遺体を損壊。その一部を屋上から投下した。
−−そして九年後……。



「獣」
「獣」がみんなに栗原くんを襲わせた。
わたしにはそれが、見えた。



もしもこれが10年前に出版されていたら、「そんなバカなことあるかい」と一笑できていただろうが、
なにかあるたびに一斉にそっちを向いてしまう最近の風潮を考えると「今なら十分にあり得るな」と思えてしまうような作品。

これを2年前という絶妙な時期に出版してたってのが、まずスゴいと思う。
あのころからすでにそんな予兆あったのかなぁ。
というか、この人はこういうちょっとだけ先に起こりそうなことを、
少しだけ大げさにしてフィクションらしさをたもつのがうまい。
クォータームーンなんてちょっとハイスペックな「学校裏サイト」だし、
レフトハンドはいわゆるナノハザード。
……アリスはようわからん作品だったが(^_^;)

正直なところアリスがアレすぎたから今回もアレだったら作者買いリストから消えるところだったけども、
とりあえずは保留ということで。


「『言葉』は、あれは怪物です」
「僕らが思っているほど、僕らの思い通りにはならないんです。口に出せば、別の話に食い荒らされて、ボロボロになっていく。あのカワイソウなハムスターみたいに。ちゃんと扱えるのは、きっとミヤチだけなんです」


posted by fool at 10:42| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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